―三井不動産株式会社の協力により、柏の葉スマートシティ約3,000世帯に紀ノ国屋のPB商品や柏の葉エリアの人気店の食品を延べ1200件超宅配―
株式会社ミールセレクト(本社:千葉県柏市、代表取締役:八田 麻紗子、以下「ミールセレクト」)は、柏の葉スマートシティで約3,000世帯を対象とした受注製造型食品宅配サービスの実証事業第3弾を2023年8月10日(木)に終了しました。本実証事業は、2022年11月より三井不動産株式会社の協力を得て実施しています。
株式会社ミールセレクトは、2021年11月に設立された、食品宅配サービスの開発と運営を行うスタートアップ企業です。配送2~3日前に注文を締め切る受注製造型食品宅配サービスの構築により、フードロスに起因するコストを削減。お総菜などのデリケートな冷蔵食品を店頭価格で宅配するサービスの実現を目指しています。
2022年3月より、三井不動産株式会社の協力を得て、柏の葉スマートシティ内のオフィス棟やマンション群を対象に計3回の実証事業を実施。配送対象エリアと商品数を段階的に増やしながらシステムやサービスを改善して参りました。
実証事業の最終フェーズとなる実証第3弾では、約3,000世帯のマンションを配送対象に、紀ノ国屋をはじめとした名店のお総菜やパンをお客様のご自宅までお届けしました。当初は受注の伸び悩みに苦戦したものの、マーケティング施策やECサイトのUI改善を経て、最終的には対象約3,000世帯中395名[1]が商品を購入。延べ購入件数は1,223件[2]、本年2月から配送終了日(8月10日)までの1カ月あたりの平均受注件数は約165件と、半年間以上に渡り安定した受注を獲得いたしました。
また、実証事業第3弾期間中に計7回のアンケート調査を実施。アンケート回答者の約95%が、受注製造型食品宅配サービスに賛同していることがわかりました。[3]
ミールセレクトは、計3回の実証事業を通して、事業化に向けた受注製造型食品宅配サービス提供のためのシステム構築およびオペレーション確立を完了しました。今後は、お取扱いブランド数や商品ラインアップ増を経て、正式なサービスとして2023年中のローンチを目指します。
[1] 実証事業対象世帯以外の関係者(11名)による購入を除外。
[2] 実証事業対象世帯以外の関係者による購入件数(51件)を除外。
[3] 実証第3弾アンケート調査結果概要を参照。
受注製造型食品宅配サービス実証事業第3弾 実施概要
対象エリア:柏の葉キャンパス地域の三井不動産の分譲及び賃貸マンション約3000世帯
期間 :2022年11月~2023年8月10日
※先行する実証事業第1弾、第2弾を2022年3~8月に実施
目的 :受注製造・フードロス削減により、デリケート食品を送料無料で宅配する仕組みを構築
プロジェクト概要:
■専用ECサイトでサービス利用者の注文を受け、高品質スーパー「紀ノ国屋」他1社の冷蔵惣菜・パン・デザートを、受注製造により発注・仕入れ・仕分け・宅配。
■実証実験期間中のサービス利用者にアンケート調査を実施し、利用者の声を反映しながら、システムやサービスの改善を実施。
実証事業公式サイト:https://innovation-field-kashiwanoha.jp/project/23/
実証第3弾アンケート調査結果概要
アンケート調査回数:計7回[4]
調査実施期間:2023年1月16日~2023年8月6日[5]
調査対象者:実証事業中に商品を購入した男女計395名[6]
延べアンケート回答者数:528名[7]
アンケート回答者数(重複除外):263名
[4] 商品購入時期などに応じてアンケートの質問内容を変更のうえ計7回実施。但しサービスの基礎需要等に関する重要な質問は複数回のアンケート調査に含めた。
[5] 初回アンケート開始日から最終回アンケート終了日までの期間。
[6] 複数回商品購入した利用者には、購入時期・方法により複数回(最大7回)アンケートを配布。
[7] 計7回のアンケート調査の回答者数の合計。複数のアンケートに重複して回答した人数を含む。
実証事業第3弾期間中に商品を購入した男女計395名を対象としたアンケート調査を実施し、計263名の利用者から回答を回収しました。アンケート調査結果の概要は以下となります。
1.受注製造型食品宅配サービスに対する意見
受注製造型食品宅配サービスに対する質問には、計254名が回答。「①2-3日前までに注文/ 店頭価格・送料無料(受注製造型)」と、従来型の「②デリバリー(当日注文/ 価格が割高)」「③店頭販売」の比較に対し、今回実証した①が良いという回答者が53.1%、①を含む選択肢を時と場合により使い分けたいという回答が41.7%、②または③が良いという回答はわずか3.1%でした。
この結果から、アンケート回答者の約95%が当日宅配のデリバリーや店頭販売以上に、受注製造型食品宅配サービスに賛同していることがわかりました。
【グラフ1. 受注製造型食品宅配サービスに対する回答】
2. 事業化後のサービス利用に対する意見
「今回のサービスが継続・事業化されたら利用しますか?」という質問に対しては、「絶対に利用する」が16.3%、「恐らく利用する」が61.6%、「わからない」が21.3%となりました。
一方、回答者の77.1%が事業化に向けて商品ラインアップを増加して欲しいと回答し、今のままのサービスで良いと回答した人数は5%以下であったことから、事業化後の利用はサービス内容次第(主に商品ラインアップ)と考える利用者が多いと推測されます。なお、改善要望の質問項目に対する「その他」の回答者数(8.6%)が目立ちますが、商品ラインアップ増要望の具体的な内容を自由記入欄に記載した回答がこれらの大半でした。
【グラフ2. 事業化後のサービス利用に関する回答】
3. 現在利用中の食品宅配サービスとミールセレクトの併用の可能性
現在利用中の食品宅配サービスに関する質問に対しては、34.9%が食品宅配サービスを利用していないと回答。残りの65.1%は生協やデリバリー、ネットスーパーを中心とした既存サービス利用者であることがわかりました。
また、利用中のサービスの課題を自由回答形式(任意)で質問した結果、「利用中のサービス(生協やネットスーパー)には紀ノ国屋のような美味しいお惣菜がない」「デリバリーサービスは価格が高い」「生協は注文期限が早く配送日時を選択できない」「ミールキットは料理や後片付けに手間がかかる」「冷凍のお惣菜は便利だが、新鮮でない又は味に飽きる」という趣旨の課題認識が多いことがわかりました。
【グラフ3. 現在利用している食品宅配サービスに関する回答】
利用頻度の回答では、現在利用中のサービスの利用は「週1~2回」と「月2~3回」が多いのに対し、ミールセレクトを利用したい頻度は「月に2~3回」と「月に1回程度」が半々という結果になりました。このことから、既存の食品宅配サービス利用者がミールセレクトを利用する場合、主に乗換えではなく併用を想定していると考えられます。
【グラフ4. 利用頻度に関する回答[8]】
4. 属性別サービス需要の傾向
上記の単純集計に加え、クロス集計結果から、属性別にサービス需要の傾向の比較を行いました。この結果、以下の傾向が確認できました。
- 世帯年収1,000万円以上の回答者の需要が、それ以下と比べ高いこと
- 世帯人数3人以上または単身の回答者の需要が、2人世帯と比べ高いこと
- 既存の食品宅配サービスを利用している回答者の需要が、食品宅配サービスを利用していない回答者と比べ高いこと
なお、実証事業中のサービス利用者の年収層は、エリア内の平均世帯年収よりも高いこと等から、サービス利用者に回答を限定した今回のアンケート調査結果以上に実際は上記の傾向が顕著であることがうかがえます。
[8]現在利用中の食品宅配サービスについて「食品宅配サービスは利用していない」を選択した回答者は、現在利用中のサービスの利用頻度の質問に対し「食品宅配サービスは利用していない」又は「月1回以下」を主に選択。サンプル数の違いに加え上記の理由により、2つの質問項目の間で回答に差異が生じていると考えられる。
【表1. 事業化後のサービス利用に関するクロス集計結果[9]】
世帯年収別
世帯人数別
現在利用中のサービス別
5. アンケート調査結果の活用
ミールセレクトは、実証第3弾期間中のアンケート調査を通して、更に細かい質問項目への回答の集計や分析も行って参りました。今後、事業化に向けて、これらの分析結果をサービス改善やマーケティング施策に活かしていく予定です。
[9]「恐らく利用しない」「絶対に利用しない」を含む計6つの選択肢の回答結果を集計。但し、左記2つの選択肢の回答はそれぞれ0~1件だったため簡素化のため「その他」に含めた。